事故の真相を解く鍵は、生存者の手記とコックピット内のボイスレコーダーにある。


スコーク77と自衛隊機の誘導

123便の機長は、異常音と同時に「スコーク77」を発信しています。これは、近くに自衛隊機がいることを確認しているからで、数十秒後にはJAL123便に自衛隊機が寄り添い交信していたはずです。

そして、この自衛隊機から、垂直尾翼の状況など得るとともに、油圧系統の損傷時の対処方法などの指示を得ていたでしょう。


「スコーク77」は、民間機が何かに要撃の対象とされた場合の緊急コールで、被要撃機は、自衛隊機の指示・誘導に従うよう定められています。
スクランブルをかけた自衛隊機が使用する言葉は次の4つです。
1.当方に従え
2.着陸のため降下せよ
3.この飛行場に着陸せよ
4.そのまま飛行してよい
これに対して、要撃された民間機が使用できる言葉は、次の6つです。
1.了解、指示に従う
2.指示に従うことはできない
3.指示を繰り返してください
4.自機の現在位置がわからない ←リクエストポジション
5.○○に着陸したい
6.降下したい
(JAL123便 日航機墜落事故の真相のHPから引用)


123便は、垂直尾翼を失ったときに、水平尾翼の昇降舵が少し上がった状態でロックしたために、機体は、右上に横滑りするように飛行するようになる。

おそらく、この状態で緊急下降すれば、機体は、右回りにキリモミ状態になるという自衛隊機の指示で高度を保ちます。

機長と自衛隊機はヘッドフォンで会話していたのでしょうか。副操縦士や航空機関士が緊急降下を提案しても、機長は「はい」と答えるだけで動きません。

自衛隊機の指導で、駿河湾上空で右旋回しながら、富士山北側を通り、横田基地へ向かいます。

しかし、住宅地(米軍関係者の)が近接している横田基地への着陸は許可が下りなかったのでしょう。自衛隊機とのやりとりを知らない東京管制は、123便に名古屋空港への着陸を提案しますが、左旋回ができない123便は羽田への帰還を求めます。

スコーク77をかけた123便は、自衛隊機の管理下に入っていたので、東京管制には、機長からの機体の状態や航路などの詳細は伝えられないのです。