事故の真相を解く鍵は、生存者の手記とコックピット内のボイスレコーダーにある。


123便に衝突したのはファイヤー・ビーとチャカ2

(1) 事故の原因は内部的要因ではなく外部的要因によるもの

事故報告書の後部圧力隔壁の破壊説は、落合由美さんの証言や、ボイスレコーダーのコックピット内の状況からも、機内の気圧は安定していて、圧力隔壁が損壊した時の急減圧は起きていない。

垂直尾翼が落下したり全油圧系統が機能停止したの原因は、外部要因以外考えられない。


(2)事故当日の状況

事故当日、事故現場の相模湾では、、相模湾内で護衛艦「まつゆき」が試験航行していた。すでに指摘されているように、誘導レーダーの実験演習が行われていて、123便の衝突したのは実証実験中の誘導ミサイルと考えることは自然である。

ネット上での説は、無人標的機のファイア・ビーが犯人であるとしているが、ボイスレコーダーに衝撃音が2度あることから、無人標的機のファイア・ビーとそれを追尾していた誘導ミサイルのチャカ2が連続して123便に衝突したと考えるべきである。



誘導ミサイルの実証実験は、無人標的機のファイア・ビーを飛ばして、誘導ミサイルのチャカ2が追尾する状況を検証していたと考えるのが自然であり、衝突したのを、 ファイア・ビーかチャカ2のどちらかという議論は意味がない。

以下、無人標的機のファイア・ビーと、誘導ミサイルのチャカ2が123便に衝突したという説を論理展開していく。


(3) ファイア・ビーとチャカ2の衝突時の状況

日本航空123便は、離陸から12分後の18時24分、相模湾上空を巡航高度の7,200mを南西方向に機首を向けて上昇していた。

同時刻に、誘導ミサイルの実証実験をしていた護衛艦「まつゆき」から発射された。

無人標的機のファイア・ビーとそれを追尾する模擬誘導ミサイルのチャカ2は、高度7000m付近を南東方向の縦に並んで水平飛行していた。

南東に向けて水平飛行していた「ファイア・ビー」と「チャカ2 」は、南西に向けて上昇中の日本航空123便クロスするように衝突。

先頭を飛んでいた「ファイア・ビー」は、123便の胴体の中央下部に、「ファイア・ビー」を追尾していた「チャカ2 」は、1一秒遅れて水平尾翼に衝突した。

この時の衝撃音が、18時24分35秒と36秒の衝撃音。

日本航空123便は、胴体中央下部への衝突で油圧系統が損傷。さらに、車輪格納扉が落下もしくは開放され、機内は着陸警報が一秒間鳴り、同時に急減圧による白い霧が発生し酸素マスクが自動降下した。

一秒後に「チャカ2 」は、水平尾翼に衝突して垂直尾翼が落下。水平尾翼が、進行方向に対して機尾が九の字の跳ね返り、さらに右舷に傾いた。以降、123便は、直進の際に、機首が上を向きながら右へ傾くようになる。

123便は油圧系統の制御が不能となり、機体は上昇する傾向と右へ傾く傾向が生じる。

(4) 自衛隊機の誘導

123便の機長は、異常音と同時に「スコーク77」を発信する。これは、近くに自衛隊機がいることを確認しているからで、異常音の前に、演習中に参加していた自衛隊機から何かしらのシグナルが入っていることが、副機長の会話からもわかる。

「スコーク77」のコール後、すぐに、JAL123便に自衛隊機が寄り添い、機体損傷の状況などを123便に伝えるとともに、高度を維持するように命令したはずだ。

なぜならば、23便は、垂直尾翼を失ったときに、水平尾翼の昇降舵が少し上がった状態でロックしたために、機体は、右上に横滑りするように飛行するようになる。この状態で緊急下降すれば、期待は、右回りにキリモミ状態になるとからだ。

これ以降、自衛隊機の誘導で、18時24分に機体に異常事態が発生したあと、18時38分あたりまで、高度6000mを維持していて機体は安定した飛行をしている。


(5) デジタル飛行データとの照合

参考資料 第三章 事故調が主張する事故原因についての検討

デジタル飛行データでは、異常発生時に、上下方向の加速度が、一瞬、+0.75Gに下がり、次の瞬間には、横方向の加速度が加わったことを示したあと、機首が1秒間に4.5度機首を上げして、2秒後に元の位置に戻っている。

最初の加速度が下がったのは胴体下部に衝突したファイア・ビーの影響で、一秒後に。横方向の加速度が加わったのは、チャカ2が垂直尾翼に衝突した証拠。
一秒後に機首が上がったのは、チャカ2 の衝突で、水平尾翼を中心に加速度にブレーキがかかり、機首が上がったとと考えられる。


(6) 遺族が公開した写真にファイヤー・ビーが映り込んでいる。


事故現場から回収されたネガフィルムには、胴体下部に衝突したファイヤー・ビーが映り込んでいる。

この写真は、右側最後部)ドア近くの乗客が所持していたもので、事故後遺族が公開した写真である。

写真は数枚連続して映されていてることから衝撃音の直後に窓から外の様子を写したのだと推測される。

上昇中の123便の左舷から水平に胴体下部に衝突したファイヤー・ビーは、角度を変えて、123便の右後方に飛んでいたとすると、この写真の説明がつく。

おそらく、二度の衝撃音で機内が騒然となっているなかで、窓の外を見ていた乗客がファイヤー・ビーに気が付いたのだろう。そして、シャッターを押した。


(7) ボイスレコーダーとの照合

当時の、123便のジャンボ機は、機長と副操縦士。そして航空機関士の3人体制で運行していた。

慣例で通常航空機の操縦席は、左席に機長席座り、副操縦士は右席に座る。

この日の123便は、副操縦士が機長昇格訓練のために、副操縦士が左席に操縦と交信を担当していて、機長が右席でモニター業務を行っていた。

以下、ボイスレコーダーの会話記録で、(CAP)は機長、(COP)は副操縦士、(F/E)は航空機関士、(PUR)はパーサー、(STW)はアシスタント・パーサーを含むスチュワーデス、(PRA)はプリレコーデッド・アナウンスを意味します。

18時24分35秒 「ドーン」というような音
18時24分36秒 「ドーン」というような音
18時24分37秒 【客室高度警報音 又は 離陸警報音】
18時24分38秒  (CAP)まずい
18時24分39秒  (CAP)何かわかったぞ

衝突音の後、機長は「まずい。何か(音の原因)が(何か)わかったぞ」と言っています。これは、右側に落下するファイヤー・ビーを視認したからで、ファイヤー・ビーが123便と衝突したことを理解したのでしょう。

18時24分40秒
18時24分41秒
18時24分42秒 (CAP)スコーク77入れるぞ

機長は、即、スコーク77を発信して自衛隊機の123便の位置を知らせます。

18時24分43秒 (CAP)入れる入れよ。
18時24分44秒 (COP)はい

機長の「入れる」とは、ATCトランスポンダにコード番号を入力するという意味。

続く「入れよ」とは、ATCトランスポンダの周波数で自衛隊機との音声による交信に入れと、副操縦士に指示をだしています。

この時、副操縦士が左に座っていて操縦と交信を担当していて、機長は右側でモニター業務をしている。

スコーク77の識別信号を自動発信するATCトランスポンダは、同じ周波数を使うことで、機長席のヘッドフォンを通じて軍用航空機と音声で交信できる。

機長は、識別コードの入力後、副操縦士のヘッドフォンに自衛隊機との交信が入ることを副操縦士に伝えている。

18時24分45秒
18時24分46秒 (ここから自衛隊機との交信開始)
18時24分47秒 (COP) スコーク77
18時24分48秒 (COP)オレンジエア

副操縦士が「スコーク77」「オレンジエア」と話しているのは自衛隊機に言っています。「スコーク77」は緊急事態宣言。「オレンジエア」は、ファイヤー・ビーが衝突したことを伝えています

18時24分49秒
18時24分50秒
18時24分51秒 (F/E)ラジオ追送いたしますので
18時24分52秒

18時24分53秒 (COP)はい
18時24分54秒
18時24分55秒 (COP)オレンジエア

ここも、自衛隊機と副操縦士との会話。機長席に副操縦士が座っていたので自衛隊機との交信は副操縦士しかできなかったのでしょう。

18時24分56秒
18時24分57秒 (COP) ハイドロプレッシャみませんか?
18時24分58秒
18時24分59秒 (CAP)何か爆発したろ?

この爆発音で、油圧系統が駄目になったのだと推測されます。

18時25分53秒 (CAP) バンクとんな そんなに 
18時25分54秒 (COP) はい
18時25分55秒 (CAP) バンクそんなにとんなってんのに
           
この会話で、123便が右舷に傾くように飛行している状況がわかります。これは、2回目の衝撃で後部水平尾翼が、右舷方向に傾いたことを意味しています。

18時26分31秒 (CAP) ディセント
18時26分32秒 (COP) はい
18時26分33秒 (F/E) ディセンドしたほうが
18時26分34秒    いいかもしれないですね
18時26分35秒 (COP) ディセンド
18時26分36秒
18時26分37秒
18時26分38秒
18時26分39秒
18時26分40秒 【高度警報音 2秒間】
18時26分41秒 (CAP) なんでこいつ・・・*ディセンド(緊急降下)失敗。

この会話は、ディセント(緊急下降)しようとするも、コントロールできずに、むしろ、設定した巡航高度を超えていることを警告する高度警報音が鳴っている。
つまり、123便は上昇している。だから、機長の「 なんでこいつ」という会話となる。

123便の水平尾翼は、2度目の衝突で、機尾が進行方向に対して反り返るように変形していて、上昇する傾向が出ていた。

18時28分14秒 (F/E) 下がりましょう
18時28分48秒 (CAP) ライト ターン
18時28分49秒   ディセンド

123便は、右旋回しながら高度を下げようとしています。機首が上に向く傾向があるので、出力をあげると失速することも機長は指示を出しています。

18時29分05秒 (CAP) ストールするぞほんとうに
18時29分06秒 (COP) はい 気をつけてやります
18時29分07秒 (CAP) はいじゃないが
18時29分08秒 (COP) はい
18時29分09秒 (CAP) ディセンド

しかし、高度は下がるどころか高度警報音がなります。

18時29分16秒 【高度警報音 2秒間】

18時37分04秒 (CAP) おりるぞ

大月市上空で123便は右に旋回しながら高度を下げます。

18時37分31秒 (CAP) あたま下げろ (高度6800m)
18時38分04秒 (CAP) あたま下げろよ
18時38分05秒 (COP) はい
18時38分32秒 (F/E) ギヤダウンしたらどうですか?
18時38分45秒 (CAP) 出せない
18時38分46秒     ギヤ降りない
18時39分13秒 (F/E) オルタネートでゆっくりと
18時39分14秒     だしましょうか?
18時40分22秒 (F/E) ギヤダウンしました(高度6800m)
18時40分23秒 (COP) はい
18時41分00秒 (CAP) あったまさげろ  (高度6300m)
18時41分01秒    そんなのどうでもいい
18時41分07秒 (CAP) ストールするぞ
18時41分08秒 (COP) はい
18時43分23秒 (CAP) あたま下げろ
18時43分24秒
18時43分47秒 (CAP) おもたい
18時43分48秒    もっと もうすこし
18時43分49秒    あたま下げろ
18時43分50秒 (COP) はい
18時43分56秒 (CAP) 下がるぞ
18時44分05秒 (CAP) おもたい
18時44分22秒 (CAP) いっぱいやったか?
18時44分23秒 (COP) いっぱい かじ
18時44分24秒      いっぱいです
18時44分43秒 (CAP) あーおもたい 18時44分47秒 (F/E) フラップどうしましょうか?
18時44分48秒     下げましょうか?
18時44分49秒 (CAP) まだはやい
18時44分50秒 (F/E) まだはやいすか
18時44分51秒 (CAP) まだはやい
18時44分52秒 (COP) ギヤおりてますか?
18時44分53秒 (F/E) ギヤおりてます
18時44分54秒 (CAP) えっ
18時44分55秒 (COP) コントロールのほうが
18時45分18秒 (CAP) ここでホールド・・・ (高度4000m)

これ以降は、123便は墜落ではなく不時着したという説で、ボイスレコーダーとの照合をします。