o 安全帯の考察

安全帯の考察

TOPシステムの概要HPでの公開にあたって連絡先|| 懸垂下降時の停止方法ATCタイプとエイト環について

一本吊専用胴ベルト型安全帯

一本吊専用胴ベルト型安全帯(下写真左)の場合、ランヤードの取付け位置は左右のどちらか一方なので、作業者はランヤードを弛ませて使用します。ランヤードに張力を持たせた場合、作業者は向きをかえる方向に制限がかかるからです。
墜落時には、ランヤードの弛みの分だけ落下します。もし屋根からはみ出た場合は墜落となります。

2丁掛け安全帯

2丁掛け安全帯(下写真右)は、急斜面での作業時に機械式把持具を用いて使いますが、常に上方向の作業姿勢となります。
安全帯に体重をかけて作業する場合のシステムであり、傾斜のゆるい屋根上での作業には向きません。

一本吊専用胴ベルト型安全帯

レッグループ型安全帯

安全帯については、墜落を想定するならばレッグループ型安全帯となります。レッグループ型では墜落時には太股で衝撃を受ける構造になっています。これは、レッグループの部分と腰ベルトの部分がループで連結されていて、足から落ちればレッグループに先に荷重がかかるからです。

シットハーネス型安全帯

シットハーネス型安全帯は臀部で体重を支える構造ですが、墜落時にはその衝撃は腰にきます。無足場工法のように常に安全帯に荷重を掛けている場合には問題はありませんが、墜落時には胴ベルト型程ではありませんが腰への衝撃は避けられないでしょう。また、レッグループとは違い腰部分で衝撃を受けるので、腰を中心として逆さ吊りに成りやすいです。

フルハーネス型安全帯

つぎにフルハーネス型安全帯ですが、本来胸部分のチェストハーネスは、レッグループ型とシットハーネス型安全帯の着用時に墜落した場合に、逆さ吊りになったときにハーネスがすっぽ抜けないためのものです。
日本の安全帯はレッグループ型の特許は使えませんから、シットハーネス型にチェストハーネスをつけたものをフルハーネス型安全帯といいます。従って、墜落時にどこで衝撃を受けるとかいう考えはなく、墜落した時の姿勢がよければいいということでしょうか。また、建設現場では安全帯の取り付け位置は背中にありますので、墜落時には胸部を相当圧迫された状態になるでしょう。しかも、墜落時には命綱を背中にして落ちますのでなにもなにも掴むことができず、ただ地面を向いて落ちるだけでしょう。恐いでしょうね。

墜落時の衝撃

胴ベルト型安全帯は墜落時には、内臓圧迫で身体に重大なダメージは避けられません。(下写真左)
フルハーネスでも、背中側にランヤードを取り付けた場合、写真でみるかぎり肩ベルトに衝撃が集中しておて胸部圧迫が考えられます。(下写真中)
やはり、腰位置にランヤードを取り付けないと構造的な特性が生かされません。(下写真右)

フルハーネス

*下写真左と中は中井建築事務所様のHPから引用させていただいております。

ビレイループ式胴ベルト型安全帯

立つことができる傾斜面、屋根上での作業では、「墜落」という事象の前に、「滑落」という事象が起因します。

滑落が起きることを前提に、対処する方法として、ロープと安全帯をランヤード(プルージック)で連結し、張力が効いていれば滑落時の初期制動が可能となり墜落にはいたらないでしょう。この場合には安全帯は胴ベルト型で十分ということになります。

ロープとの把持部分を上下に移動し作業領域を移動し、ロープの一端を開放することにより振り子状の作業領域を確保します。
そして、安全帯に取付けたビレイループによりランヤードの取付け位置が可動することで、ランヤードの張力を維持した状態で作業者の前面の作業領域を確保する。

これが、ビレイループ式胴ベルト型安全帯を使用した滑落防止システムです。(特許申請中)

ビレイループ

Copyright (C) Link-21 All Rights Reserved.