準国産エネルギーとは一体なんのことだ?

準国産エネルギーという概念にこだわる理由


準国産エネルギーを、エネルギー白書、東京電力HP、河野太郎のブログから、その意味をしらべました。

① 原子力の燃料となるウランは、エネルギー密度が高く備蓄が容易であること、使用済燃料を再処理することで資源燃料として再利用できること等から、資源依存度が低い「準国産エネルギー」と位置づけられています。そして、水力や地熱、太陽光などともに、エネルギー自給率に参入されています。(エネルギー白書から)

② 燃えかす(使用済み核燃料)からウランとプルトニウムを回収することを再処理といいます。再処理によって、繰り返し燃料として使うことができます。これが原子燃料サイクルです。このサイクルが確立すると、ウランやプルトニウムは、国産のエネルギー資源みたいに使うことができます。そのために、ウランやプルトニウムを準国産エネルギーというのです。(東電HPから)

③ 準国産エネルギーとはどういうことかと問われて、彼はこう言った。「ウランは輸入してから三年から五年発電することができるから、準国産なのだ」!(経産省のOBのテレビ発言:河野太郎のブログから)

「使用済燃料を再処理することで資源燃料として再利用できる」という「準国産エネルギー」の定義のようですが、日本の輸入割合で濃縮ウランの65%を占めている米国へは、日本は使用済み核燃料を渡していません。米国から輸入される濃縮ウランは別統計になっていないのは何故でしょうか。

また、使用済み核燃料は、フランスで再処理されて、MOX燃料として日本に輸入されますが、フランスからの輸入比率は27%です。MOX燃料は最近になって使用されたものです。

この状況で、濃縮ウランの輸入率が100%の日本において、原子力発電の燃料を「準国産エネルギー」とし、エネルギー自給率に参入するというのは論理が破綻しています。むしろ、「ウランは輸入してから三年から五年発電することができるから、準国産なのだ」という方が、詭弁としては、まだましなのではないでしょうか。

天然ウラン自体が日本国内で生産できない状況で、濃縮ウランやMOX燃料を国産と呼べるはずがありません。しかし、それでも、官僚らは、「準国産エネルギー」にこだわるのは、そうでないといけない理由があると考えなければなりません。

その答えとして、濃縮ウランを日本で生産していると考えると、劣化ウランの疑問も解けてきます。