第三章 コンピューターウイルスとファイヤーウオール
4 ウイルスから何を守るのか
 このようなウイルスの種別でわかることは、LANなどで構成している企業などの組織に影響を与えるウイルスファイルと、インターネットの通信インフラの混乱を目的とするジャッカーファイルとでは、対処方法がちがうということです。

 つまり、ワームによって自分のコンピュータが乗っ取られる危険がある状況を理解した上で、一般ユーザーがパソコンを管理する責任を持つべきであろうと思うのです。

 問題は、自然界のウイルスと同じで、ウイルス自体を完全にシャットアウトすることは不可能であるということです。それを前提に対処方法を考えれば、ファイルの移動システムの基本知識を広めたりする予防医学ならぬ、予防教育であり、仮に発病しても被害を最小限に抑えることが求められます。
  なぜなら、悪性のファイルの除去は、ウイルスソフト会社が用意してくれますが、失われたファイルや、PCジャックによる攻撃の社会的損害は、ワクチンでは回復できないからです。特に、ジャッカーファイルの活動は、自分のPCが犯罪に荷担するようなものであり、これを未然に防ぐのは、PC利用者の責任ではないでしょうか。
 コンピューター社会でのセキュリティーとは、まず、コンピューター内のプログラムファイルやデーターファイルを守ること。それは、インターネットをとおして盗まれることと、コンピューターウイルスなどでファイルを書き換えられたりすることやハード的なトラブルでデーターを消失してしまうことです。
 もう一つは、ネット社会を不正プログラムの実行などで混乱させることに、個人にパソコンが利用されるということです。

 一人の人間の意志で、何十万というパソコンを利用して社会混乱を引き起こさせてはならないということです。

 しかし、日本では、一般ユーザーのレベルでは、バックアップの概念も乏しいし、社会混乱を目的とするウイルスにたいする警戒心もありません。

 その代わりといっては語弊がありますが、ウイルスワクチンソフトへの関心は高いという現象があります。つまり、彼らが守ろうとしているものは、パソコン本体でしかないのです。