6 英文タイプライターと日本語ワープロ
 日本語ワープロが登場するのと相前後して、WINDOWSやMACなどのパソコンが登場します。1980年は、FAXの登場で、第一次合理化のブームがおきていて、日本語ワープロも急速に普及していた時代です。
 パソコンへの文字入力は、英字での入力が基本に作られています。

  1874年の英文タイプライターの登場以来、タイピングでの文字入力は欧米社会では定着されていましたが、日本語タイプライターは、1978年のカナ漢字変換方式のワープロの登場からであり、100年の開きがあります。 

 理由は、ローマ字と漢字表記の違いであり、複雑で、多様なカナ漢字変換は、コンピューターの登場を待たなければならなかったからです。

昭和53年に発表された初の日本語ワープロ「JW-10」
 しかも、思いつくままの英文を手の動作として表現していけばよい英文タイプと違い、「カナ漢字変換ソフト」の場合には、変換をするごとに画面を見て、正しい漢字を選ばなければならないというハンディキャップがあるのです。

 タイピングによる文字入力と英文タイプとの歴史の違いは重要ですし、漢字に変換するという作業の違いを理解しなければなりません。

 パソコンが日本に普及するのは1980年代後半です。、この時代にシステムエンジニアは、パソコンに搭載されていた一太郎のワープロソフトを使うようになります。

 このことで、まず、パソコンでワープロソフトを使うことと、日本語ワープロ専用機で文字入力することは違うという固定概念が生まれたことと、日本語入力をするのはワープロでするという固定概念が生まれたと推測するのです。

 前者の固定概念は、パソコンをするというのは、一太郎やワードというソフトの習熟をイメージし、また、日本語の文字入力は、ワードプロセッサでするのがという固定概念が生まれたのではなおでしょうか。

 パソコン派か、ワープロ専用機か、または、ワードか一太郎かという神学論争は、21世紀のこの時代でも、聞こえてきますし、ワードをパソコンの入門コースとする、日本のパソコン教室や教育の現場も、欧米からみると不思議なパソコン社会を作り出しています。

 従って、このシステムの構造を知ることはとても重要です。あの、日本人が開発したトロンというOSは、この日本語の「カナ漢字変換ソフト」に優れた特質をもっていました。日本人が、この「カナ漢字変換ソフト」の重要性に気が付いていれば、日本の情報社会もたいぶ違った社会となっていた事でしょう。